YUKIが好きだ③

前回に引き続き、YUKIのアルバム「まばたき」について、心ゆくまで言いたいこと言うコーナー。

マニアック加速するよ。


どの曲からいこう、迷うところですが、今回は「tonight」。

ちょっと世間一般のYUKIのイメージとは違うであろう、スローテンポでノクターンな3拍子の曲。

曲調としては、いい感じのバーに似合うような雰囲気。


これ、映画グラスホッパーのエンディングテーマで、KADOKAWAの試写室で完成したばかりの映画を観たあと、それに合わせて書き下ろしたそうなんですが、その時のYUKIのコメントがよくて。

いわく、映画が終わってスクリーンを見ながら、「わー、ここに私の曲、どんな曲が流れたらいいだろう」って思っていろいろ考えたと。

なんかね、これ私の仕事に対する一つの理想で、「私」に依頼されてることを軽すぎず重すぎずそのままの重さで受け止めている。

そのうえで、気丈に楽しんでる。

上記YUKI本人がラジオで言ってたのですが、なんか言葉がわくわくしてるんだもん。


そんな中で普段のYUKIとは毛色の違う一曲ができたと思うと、仕事というある種の枠組みがクリエイティブに機能していて、つまり制限があることで自分の得意なぬくぬくゾーンから離れてでも結果を出しているのです。


そしてYUKIのすごいところは、どんなジャンルの歌を歌ってもちゃんと堂々とYUKIになるんだ。

だってこの曲のMVがね、モノクロでYUKIがレコーディングしている、一発録りの、それだけの映像なの。

なんのイメージも飾りもない、ただただYUKIがスタジオで歌ってる映像なんだぜ。

それが物凄くストレートでかっこよくて、演奏のシンプルさと相まって最高なんだ。


あと今回思ったのが、お前何の立場なんだって感じだけど、すんごい表現力が増している。

「雨は上がった 今夜は二人で出かけよう」から始まって、情景としてはJUDY AND MARYのときのPEACEに近く、静かな夜の道なのかな、そこに


「愛という名前は知ってる

絡まって 受け取って 私の掌から

くしゃくしゃで まるまって

上手く言えたためしは無いけど」


素晴らしいと思った。

てかもう歌詞全部引用したいくらいなんだけども。


PEACEのときも「キスはせず眠ろう トゥナイト」で、感情が抑制されてるかつ、こちらはTAKUYAとの掛け合いもあり多少慎重に言葉を置いていってる感があったのですが、

「tonight」は良いも悪いも嘘も本当も受け止めて「これはちゃんと伝えたい」って思いを丁寧に、でも勇敢に歌っていて、それを託すのがこの言葉、この言い回し。

いろんな経験をしてたどり着いたんだろうなぁ。


また大好きな曲が増えました。


てかやっぱこのブログ楽しい。


今日も私に幸あれ。