なんでもない週末の彼女の
嬉しいことは文字にする。
週末、高校時代の友人の個展に遊びにいった。
彼女は一回就職したあと綱渡りしながら美大で写真を学び、いまも働きながら写真を撮っている、その個展。
小さなギャラリーを借りて額縁やら何やら手配して、お金がかかるから準備や運営は自分でやって、文章を書いている友人にエッセイを寄せてもらって、学生時代にみんなで旅行した土地の近くの、ある夏の風景を、彼女にしかできないやり方で作品にしていた。
本人がなんでもないことみたいにしてるから、私もリラックスして、鑑賞、その合間に写真そのものや表現について、友人が書いた文章について、お互いの近況について楽しく話して帰ってきたけど、彼女が歩いてきた道を思うと、全然なんでもないことじゃ無かったよな。
高校のときから美術が得意だったのに、いろいろあって手に職つけなきゃいけないからって腹括って勉強して、ちゃんと進学し、ちゃんと手に職つけたよな。
美大入ってからも、ある時みんなで飲んでたら突然実はそろそろ美大続けるお金がないかもとか言い出して、その場にいたうちら3人、いいから親に連絡して金借りろって、今思うとおかしな逆ギレしたよな。
そんなこともうっかり忘れるくらい、いつもなんでもない顔してるから、私もこれからもなんでもない顔で友達やってくと思うけど(ていうか多分、こっちが騒いだり褒めそやしたりしても、彼女はふんふん、って結局いつものなんでもない彼女なんだと思う)、ふとそんな思いに立ち止まったので、書き記しておく次第。
今日も私に幸あれ。